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自他ともに認めるグルメの国フランスには、おいしさのための大事な規制があって、今なお厳しく守られています。
これは原産地統制呼称という制度で、フランス語の頭文字を略してAOCと呼ばれています。簡単に言うと、優れた農畜産物や食材の品質と伝統を守り、豊かな食文化をしっかり支えていこうというもの。
ワインを筆頭にチーズやバター、鶏、羊などの中で、特にAOCに認定された銘柄はその生産地域や原材料、製法などこと細かな制約を受けるかわりに、絶大な信用と名誉を得ることができるのです。
例えばフランスの一流シェフたちが絶賛するブレス鶏は、スイスとの国境に近いブレス地方で生産される鶏。脂がのってとろけるような口当たりと、香り良く深い味わいで名実ともにフランス一美味といわれています。
しかし、その影にはその味を受け継ぎ守っていくための、厳格な取り決めがあるのです。
AOCの規定では、ブレス鶏を名乗るにはまずこの地域で生産されていること。飼料はトウモロコシが主。一度に飼育するのは五百羽まで。三週間保育した雛を一羽あたり十平方メートルの広さの草地に最低九週間放し飼いにすること。充分運動して身がしまったら、今度は一羽ずつ狭いカゴに入れ一、二週間エサを与え続け脂をのせること等々。時間も手間もたっぷり掛かるが、それだけに味は折り紙付きです。
一方料理する側の料理人たちにもミシュランの格付けなど、常に厳しい舌の評価が待っています。さすが美食の大国。本物のおいしさを求める仕組みがしっかり根づいているんですね。
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