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バターやチーズは随分と歴史が古くて二千年以上昔から食べられていました。一方マーガリンは生まれてまだ一三〇年という新参者。そして、その生みの親は余の辞書に不可能はない、と言ったナポレオンの甥っ子で、自らも三世皇帝となったルイ・ナポレオンだったのです。
時は1869年、当時フランスは隣の強国プロシアとの戦争前夜で食料、特にバターが不足していました。そこで、ナポレオン三世はバターに替わるものを賞金付きで国中に募ったのです。実は伯父さんのナポレオンもこの方法で缶詰を発明させていて、それにならったようです。
さて、見事賞金を手にしたのはムーリエという化学者で、牛脂の軟らかい部分と牛乳を混ぜ、冷水の中で急冷して固めたバター状のものを発明しました。この食べ物は固まる際にキラキラと真珠のように輝くことから、真珠を意味するマーガライトという言葉にちなんで名前がつけられました。かくしてナポレオン三世の辞書には「マーガリン」という言葉が加わったのです。
ちなみに、戦争のほうは呆気なく敗れてしまいました。その後マーガリンはオランダやデンマークで人気を呼び、さらにアメリカに渡って改良が重ねられ、広く普及するようになりました。
日本でも塗りやすいソフトタイプが出てからは消費量もグンと増え、今では本家本元のバターをしのいでいます。牛乳だけから作られるバターと違い、マーガリンはコーン油やべに花油など原料油脂が多種あって、さらにビタミン類を強化したり、カロリーを控えたりとバラエティに富んでいます。バター入りのタイプも人気だそうです。
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